「 月下狂人 」



潮汐の満干を繰り返す 躁鬱
(そううつ)の月

躰を廻る紅き血液を沸騰させる 摩訶不思議な光力


胸の奥に眠りし獣よ 野生の本能よ

己の欲望のままに 踊り狂うがいい

月の光に照らされて 己の華麗なる人生劇を舞うがいい


演ずるは唯一無二の狂乱役者


奏でるは背徳の狂想曲
(ラプソディー)? 

其れとも罪と罰を反復させた輪舞曲
(ロンド)


不協和音の律動
(リズム) 月の光浴びながら花道を歩み

気ままに踊り狂う一人舞台 其の演題は「月下狂人」


(にわとり)(わめ)く 夜明けと共に終焉を迎え 

燃え尽きた魂と共に幕切れす



 
2002.09.30




PREV Poem NEXT