「戀 心」


今 アナタはワタシの心の中を支配し始めている

それはまるで毒素のように 躰全体を犯し始めていた


あぁ アナタのことを想う度 ワタシの心は

逃れようもなく ジワリジワリと強く締めつけられてしまう


あぁ アナタがそばにいるだけで ワタシは頭の中が真っ白になり

言いたいことも言えず ただ時間だけが無情に過ぎ去ってしまう


何故なのだ! どうしてなのだ!

こんなにアナタのことを 愛しているのに・・・

こんなにアナタのことを 想いつづけているのに・・・


何故 なにも話せなくなってしまうのだ

誰よりも会話を交わしあいたいのは アナタのはずなのに!

どうしてアナタの前では いつものワタシらしく いられないのだろう

誰よりも 素顔のワタシを知ってほしいのは アナタのはずなのに!

 

しかし ほんの昔まではこうではなかった

いつしかワタシの心に棲み始めた何かが

ワタシを憂鬱の谷へと 放り投げてしまったのだ

そいつは天使なのか? それとも邪鬼なのか?

どちらにしても 今のワタシを苦しめているのには違いない


まるで蟻地獄のようだ!

逃れようもなく ただズルズルと引きずりこまれてゆくのだ


まるで蛇の生殺しのようだ!

胸の鼓動は速くなり 息も出来ないような状態のまま

永遠に続く苦しみに悶えているしかないのだ


そいつの名は「
戀心」!


出来れば今はこいつを心の闇に葬り去りたい

そうすれば 本当の自分のまま アナタと接することができるだろう

そしてアナタの心を掴むことが出来た時

もう一度 心の闇からそいつを甦らせて見せよう


永遠を誓い合う ふたりの愛という名の束閥の呪文を口ずさみながら・・・


1994.?.?

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