「 桜 花 」


樹の根元に人の屍体が埋められているサクラは 

綺麗な・・・それは綺麗な花を咲かせるそうです


風に揺れるサクラのざわめきは 

この世に未練を残したまま 屍体と化した死者達の叫び声


 
叫び声をあげながら 無情に散りゆくサクラの花びらは

屍体と化した死者達の涙

 
涙を酒盃に浮かべ 屍体が眠る土の上で杯を呑み干すのは

死者達へのせめてもの慰め証し

春の訪れと共に魂の蕾が芽を吹き始め 

その想いが桃色のかほりを放ち 
叫び声をあげながら涙を流す 

満開のサクラの樹の下で
・・・

楽園を求める約束人の祭り事が今 始まろうとしている・・・

屍体が眠る 満開のサクラの樹の下で・・・
 
2001.03.16




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